- 5_294 :名無しさん@ピンキー:2007/04/03(火) 14:40:41 ID:w5w+UrXk
- なぁ、みんな!
ツンデレ喫茶があるんだからきっとこれからはヤンデレ喫茶もメジャーになり、テレビに進出………………………………無理か。
きっと警察沙汰になるもんな
- 5_295 :名無しさん@ピンキー:2007/04/03(火) 15:02:22 ID:dQSk7oyh
- ヤンデレ喫茶か……
毛髪入りとか睡眠薬入りのメニューがありそうだな
- 5_296 :名無しさん@ピンキー:2007/04/03(火) 15:17:11 ID:UshWYBTj
- 前にもそんなネタあったなぁ
確か十回その店に通ったとかでサービスという名の拉致監禁。とか
- 5_297 :名無しさん@ピンキー:2007/04/03(火) 15:44:28 ID:w5w+UrXk
- >>296 前にもあったんだ。俺比較的新参者だから知らなかった。
俺の妄想の中では
・
・
・
・
・
・
・ 「いらっしゃいませ!こちらの席へどうぞ!」
「ご注文はお決まりでしょうか?
〇〇〇〇が一つですね。
……………………私以外のウェイトレスに話しかけないでね?あんな体の70%が水分のかわりに汚物や虫でできてる奴としゃべったら料理がまずくなっちゃうよ?」
・
・
・ 店員がこれだと食欲うせるわぁー
妄想に付き合ってくれてありがとうな
- 5_302 :ヤンデレ喫茶は実在するのか? ◆Z.OmhTbrSo :2007/04/03(火) 20:56:37 ID:bhK99rbs
- >>297
こんな感じ?
↓
とある掲示板で、面白い書き込みを見つけた。
『
なぁ、みんな!
ツンデレ喫茶があるんだからきっとこれからはヤンデレ喫茶もメジャーになり、テレビに進出………………………………無理か。
きっと警察沙汰になるもんな
』
僕がよく覗きにいくスレッドの名前は『ヤンデレスレ』。
ヤンデレとは、『男性を愛するあまり心を病んでしまった女性』のことを差して使う言葉だ。
そのスレッドはなかなかの盛況ぶりである。
帰ってきてからこのスレッドでSSを読んだり、雑談するのが僕の毎日の楽しみだ。
それはともかく。
さっきの書き込みにあるように、ヤンデレ喫茶というものが存在していたら面白い、と僕は思った。
そこで、早速僕は行動を開始した。
比較的仲のいい友人二人に連絡を取る。
彼らは、都内某所のメイド喫茶に頻繁に通っている。
詳しく聞いてみたところ、友人Aは8回、友人Bは6回同じところに通っているという。
ちなみに僕も彼らに連れられて、先日までで4回ほど通っている。
ヤンデレスレに投下されたネタによると、10回通うと特別サービスということで
特別ケーキをごちそうされて、その後で監禁されてしまうらしい。
僕が『メイド喫茶に10回通って、監禁されるか試そう』とメールすると、
友人Aは『参加希望 ノ』と返信し、
友人Bは『ヤンデレにレイプされたいので参加キボンヌ』と返してきた。
そういうわけで、僕と友人二人でヤンデレ喫茶が存在するのかを検証してみようと思う。
- 5_303 :ヤンデレ喫茶は実在するのか? ◆Z.OmhTbrSo :2007/04/03(火) 20:57:42 ID:bhK99rbs
- 都内の大通りから少し離れた場所にある、メイド喫茶が検証の場所だ。
初めてメイド喫茶に足を踏み入れたときは「父さん母さん生まれてきてごめんなさい」と思ったが、
実際にはただウェイトレスさんがメイド服を着ているだけのお店だった。
意外と普通のお店だな、というのがメイド喫茶に対する印象だった。
―とはいえ、気が引けるのは相変わらずではあるが。
それはともかく、さっそくメイド喫茶の扉を開けるとしよう。
からんからん、という軽いベルの音が扉の上から聞こえた。
そして、入り口の近くには白と黒の組み合わせが男の妄想を掻き立てる、
メイド服を着た女の子が立って、僕たちに向けて挨拶をした。
「お帰りなさいませ。ご主人様」
うやうやしく頭を下げた女の子の髪には、フリルのついたカチューシャが飾られている。
僕としては、このカチューシャがメイド服の一番素晴らしいところだと思う。
ちなみに、友人Aにそう言ったら、「メイド服といったらエプロンだろう!」と声を荒らげ、
友人Bは「はん! メイド服はロングスカートが最高なんだよ!」と吐き捨てた。
だが、なんと言われようと僕はカチューシャが好きなのだ。ここはゆずれない。
特に理由は無いけれど。
メイドさん(ここでは便宜的にそう呼ぶことにする)に案内されて、三人で同じテーブルにつく。
「何にいたしましょうか。ご主人様」
と、漆黒の長い髪を伸ばしたクールな印象のメイドさんが聞いてきた。
僕はアイスカフェオレを注文した。友人二人とも同じものを、と言った。
「お待たせいたしました」
しばらく待っていると、さっきのメイドさんがアイスカフェオレの入ったカップをトレイの上から一つずつ、
僕たちのいるテーブルの上にゆっくりと置いた。
「それでは、ごゆっくりおくつろぎくださいませ」
と言いながら頭を下げると、メイドさんは他のお客さんの接客へと移っていった。
アイスカフェオレに口をつける。
舌で味わって見る。が、特に変わった味もしなかった。
「まだ10回通っていないからだろう」と僕は思ったが、友人二人はどこかつまらなさそうな顔をしていた。
アイスカフェオレを飲んだ後、僕たち三人はお店をでることにした。
「いってらっしゃいませ。ご主人様」
髪の長いメイドさんが頭を下げながら、僕たちを見送った。
この日で、メイド喫茶へ通った累計回数は僕が5回、友人Aが9回、友人Bが7回になった
- 5_304 :ヤンデレ喫茶は実在するのか? ◆Z.OmhTbrSo :2007/04/03(火) 20:59:37 ID:bhK99rbs
- 検証二日目。
もしヤンデレスレのネタが実現するとしたら、友人Aは今日監禁されてしまう。
それを理解しているからだろう。
友人Aはスーツを着てメイド喫茶へやってきた。
しかし、スラックスはしわだらけだし、ジャケットのボタンはほつれている。
はっきり言って、カッコ悪い。
友人Aにさりげなく注意してみたら、「あえて着崩すのがいいんだよ」と、薄く笑いながら言った。
僕は「それを言っていいのは着こなしを知っている人だけだ」と思ったが、あえて言わないでおいた。
大通りからわき道に入り、メイド喫茶の前にやってきた。
もちろん、今日の検証場所も同じ場所だ。
「おかえりなさいませ。ご主人様」
と、お決まりになった出迎えの台詞でメイドさんに挨拶をされた。
そのメイドさんは、一日目と同じ、黒い髪に真っ白なカチューシャが映える人だった。
カウンターのテーブルに三人並んで座り、先日と同じくアイスカフェオレを三人分注文した。
ネタが実現するならば、この後で友人Aの前には薬の入ったケーキが置かれるはずだ。
「お待たせいたしました」
髪の長いメイドさんがトレイを持って僕たちの前にやってきた。
そのトレイの上にはカップが三つあるが――ケーキが置かれていなかった。
それを見て、僕は「ああ、やっぱりか」と思った。
しかし、友人Aは首が折れたのではないか、というほどにうなだれた。
友人Bはいったいどれだけの肺活量があるんだ、と言いたくなるほどの長さでため息をついた。
しかし。
「ご主人様! お着物のボタンがほつれております!」
メイドさんが突然に慌てた声をだした。
「え、あ、その」と友人Aがしどろもどろになっていると、
「私が、すぐに手直しいたします!」
と言ってから、メイドさんが友人Aを店の奥へと引っ張っていった。
「もしかして、実験成功か?」と僕たちは顔を見合わせた。
そして、友人Aが店の奥へと引っ張られていってから一時間が経過した。
「このまま戻って来るな!」と僕は祈った。友人Bもそう思っていたはずだ。
いや、友人Aを嫌っているからではない。
もしこのまま戻ってこなかったら、ヤンデレスレのネタが実現するからだ。
数分待っていると、『チャーンチャチャンチャン チャーンチャチャンチャンチャーン』というメロディーが聞こえた。
『TAXI』のテーマソングは僕のメール着信音ではない。友人Bのものだ。
友人Bが届いたメールを確認する。――それを見た彼は、顔に深いエクボを浮かべた。
彼が僕に向けて、携帯電話の画面を見せる。
『おまいらさきにかえてろ』
……おそらくは、『お前ら、先に帰ってろ』と送るつもりだったのだろう。
つまり、一緒に帰れない、ということだ。そして、友人Aは店の奥に連れて行かれてこんなことになった。
これが意味することは――ひとつしかない。
都市伝説的なヤンデレ喫茶は、ここに――大通りから外れた場所にこそ、在ったのだ。
そのあと、会計を済ませた僕らは興奮をなんとか押さえ込み、
見送るメイドさんに見向きもせずに、店をあとにした。
この日で、メイド喫茶へ通った累計回数は僕が6回、友人Bが8回になった
友人Aは、監禁(?)されてしまったので、カウントしない。さらば――エプロン萌えの勇者よ。
- 5_312 :ヤンデレ喫茶は実在するのか? ◆Z.OmhTbrSo :2007/04/04(水) 02:08:30 ID:7cbl3E8J
- 検証三日目。
僕と友人Bは昨日に引き続き、またしてもメイド喫茶へとやってきた。
ちなみに友人Aとは連絡がとれなかった。そのため、今日は同行していない。
しかし、僕には――いや、僕と友人Bには確信があった。
「友人Aは、ロングヘアーのメイドさんに監禁されてしまったのだ」という、確信が。
そのため、僕と友人Bははやる気持ちを抑えつけるのにかなりの労を要した。
僕はアルバイト中、ずっとうわの空で過ごしていた気がするし、
友人Bは朝の5時に起きて、僕にメールを送ってきた。
『早く行こうぜメイド喫茶!』というのが本文だったが、午前1時に眠りについた僕としては実に不愉快だった。
ともあれ、今日も憧れの監禁に向かう一歩を踏み出すことにした。
具体的には、メイド喫茶の入り口のドアを開けた。
「……いらっしゃいませ。…ご主人様」
挨拶してきたのは、昨日入り口近くに立っていたメイドさんではなかった。
昨日のつややかな髪をした女性ではなく、どこかくすんだ印象のある黒髪だった。
髪型はボブカット。そして、縁無しの丸い眼鏡をかけている。
だが、もっとも印象的なのは、エプロンの胸元を押し上げている巨乳であった。
見るつもりはなくても、つい凝視してしまいそうになる。
友人Bにいたっては、誰が見てもセクハラにしか思えないような目でメイドさんを見つめていた。
主に胸を。彼の萌えポイントであるロングスカートには目もくれない。
所詮、彼にとってはその程度のものだった、ということだろう。
僕は彼女の髪に飾り付けられているカチューシャを見た。
――至福。メイドにはカチューシャがあればいいのだ。胸など、おまけの要素でしかない。
メイドさんの小さな声に導かれるようにして、テーブルにつく。
僕は、「昨日の髪の長い女性は?」とメイドさんに問いかけた。
「あ……実は、昨日付けで……、やめ、てしまったんです」
僕の問いに対して、彼女は僕の視線におびえるような震えた声でそう言った。
そのまま下を向きながら、
「ご注文は、その……何に、いた、いたしま、しょう……?」
と言った。
僕はアイスカフェオレを注文した。友人Bは、カプチーノを注文した。
メイドさんがおどおどとした様子で僕たちの前から去って言った後、
僕は友人Bに「なんで今日はカプチーノなんだ」と聞いた。
彼は、「彼女の顔を見ていたら、カプチーノを注文してしまったんだよ」と言った。
その後に、「あの眼鏡、そしてあの豊満なバスト……まるでカプチーノの泡のようじゃないか」と続けた。
どうやら、友人Bは眼鏡をかけた巨乳のメイドさんに惚れてしまったらしい。
そうでなければ、そんな意味不明な言葉を発するはずがないからだ。
その後、アイスカフェオレとカプチーノをそれぞれ飲み干し、店を後にする。
巨乳のメイドさんが見送ってくれたが、彼女の声は小さくて聞こえなかった。
三日目にして、メイド喫茶へ通った累計回数は僕が7回、友人Bが9回になった。
――明日、友人Bは10回目のメイド喫茶通いを達成する。
- 5_313 :ヤンデレ喫茶は実在するのか? ◆Z.OmhTbrSo :2007/04/04(水) 02:09:34 ID:7cbl3E8J
- 検証四日目。
僕と友人Bは大通りから横道に入り、ひとけの少ない路地を肩を並べて歩いている。
僕の右を歩いている友人Bは、タキシードを着ていた。
「なぜタキシードを着ているのか」と問いかけると、友人Bは首もとの蝶ネクタイをつまんだ。
「今日は俺の一世一代の晴れ舞台なんだ。そして……最後のな」と彼は言った。
僕は何も言わなかった。ただ、心の中で彼の言葉に同意だけすることにした。
メイド喫茶のドアを開けると、メイドさんが二人、向かい合って立っているのが見えた。
昨日の巨乳のメイドさんと、金髪ツインテールのメイドさんだった。
二人は実に対照的だった。
とても暗く、輝きの無い黒髪と、蛍光灯の光を反射するように輝く金色の髪。
エプロンの胸元を激しく隆起させている巨乳と、エプロンの形を崩さない貧乳。
その対照的な二人が、向かい合って口論をしていた。
「あんた! もっとはっきり喋りなさいよ!」
「ひぃっ……ごめ、ごめんなさい……き、気をつけます、から……」
どうやら、金髪のメイドさんが巨乳のメイドさんを叱っているようだ。
これはどうしたものか、と思っていると、突然後ろから大声が飛んできた。
「やめたまえ! そこのツインテールの貧乳メイド!」ということを言っていた。友人Bであった。
貧乳と言われたことに腹を立てたのか、金髪のメイドさんが友人Bを睨みつけた。
「何よ、このメイド萌えのオタク! 邪魔しないでよ!」
とてもメイドが言うような言葉ではなかった。――が、僕はあることに気がついた。
彼女は「ツンデレメイド」という存在である。
ツンデレ、プラス、メイド。萌え要素を無理矢理合わせたとしか思えない存在である。
事実、こうやって目にするとちっとも萌えない。
それはともかく。
友人Bは金髪のメイドさんの声に痛いところを突かれたのか、押し黙ったままだった。
そのまま居心地の悪い空気が続くかと思ったが、意外な人によってその空気は破られた。
「ごめ、ご、ごめんなさ、……ごめんなさい……ごめんなさい……!」
謝罪の言葉を述べながら、巨乳のメイドさんが立ち上がった。
くしゃくしゃの泣き顔をした彼女は友人Bの側を通り抜けて、店内から出て行った。
友人Bはしばらく呆けていたが、すぐにきびすを返してメイドさんのあとを追った。
僕も、とりあえずその後を追うことにした。
後ろで誰かに声をかけられた気がするが、この場では優先すべきことではないと思ったので、
彼らの後をそのまま追うことにした。
店内を出て、路地を見回しながら、友人Bと巨乳のメイドさんを探す。
―――いた。メイド喫茶の向かい側の店の、裏手で向かい合っている。
僕は彼らのもとに近づこうとした。が、すぐにためらった。
友人Bが、メイドさんの眼鏡を外して、ポケットから取り出したハンカチーフで彼女の涙を拭っていたからだ。
友人Bの唇が小さく動いた。彼女に向かって、何かを言ったようだった。
すると、メイドさんがまた涙を流して、友人Bの背中に手を回して、抱きついた。
友人Bはメイドさんの黒髪をいとおしげに撫でている。
――それは、父が我が子を泣き止ます仕草にも見えた。
邪魔をするのも野暮に思えたので、僕はその場を後にして、家路につくことにした。
もし、今日のことをカウントするならば、メイド喫茶へ通った累計回数は僕が8回で、友人Bが10回ということになる。
- 5_314 :ヤンデレ喫茶は実在するのか? ◆Z.OmhTbrSo :2007/04/04(水) 02:10:56 ID:7cbl3E8J
- 検証五日目。
僕は今日もメイド喫茶にやってきて、アイスカフェオレを注文した。まだ届いてはいない。
携帯電話を見る。メールの着信も、電話の着信もなかった。携帯電話をポケットにしまう。
僕が誰からの連絡を待っているのかというと――友人Bからのものだ。
昨日、帰ってからも連絡をしたのだが、なしのつぶてだったのだ。
その原因がなんであるか。それはわかっている。
――自分達が原因である。
『メイド喫茶に10回通うと監禁される』。
ヤンデレスレで語られたネタを真に受けて実行してみれば、この通り。
友人Aは黒髪のメイドさんと、友人Bは巨乳のメイドさんと一緒に消えた。店内に彼女の姿が無いからだ。
消えた、という表現は正確ではない気もする。
僕の見える場所から居なくなっただけで、彼らは――おそらく――この世界に居る。
ただ、見えないだけなのだ。つまり、それが『監禁』というものの実態である。
しかし――考えてみればなんでもないことにも思える。
世界が狭くなっただけなのだ。そう。ただ、男と女の二人だけしかいない世界に変わっただけ。
とはいえ、僕としてはそれは好ましくない。
僕はただ、ヤンデレ喫茶が存在するのかを検証したかっただけだ。
友人Aや友人Bのように、監禁されたかったわけではない。
僕は家族や友人、そして、社会に住む人々との世界を望む。
だが――今僕は監禁されるかもしれない、という状態に置かれている。
今日この店を出てから、明日ここに来れば、僕はきっと監禁される。
そう考えると、店内を優雅な足取りで歩くメイドさんたちが恐ろしく見えてきた。
彼女達は、僕を監禁しようとしているのではないか。という疑心暗鬼にとらわれる。
――もう、やめよう。
ここまでやったらもう、疑う余地はない。『ヤンデレ喫茶は実在する』のだ。
あとは、それをヤンデレスレに書き込めばいい。
『俺の友達が10回メイド喫茶に行ったらいなくなっちゃったよ』と書き込めば、全ては幕を下ろす。
そのあとで適当にスルーされてしまえば、心のもやもやもなくなるはずだ。
――さらば。友人Aと友人B。
椅子から立ち上がると、金髪のメイドさんが僕の前にアイスカフェオレを持ってきた。
「あ……これ、いらないの…?」
トレイにはアイスカフェオレが注がれたカップが乗っている。
先日までは味わって飲んでいたそれも、いまとなっては恐ろしい毒物に見えてくる。
僕は「いらない」とだけ告げて、レジに立っているただ一人の男性ウェイターにお金を払う。
そして、店をでるためにドアを開ける。
と。
「待って! ……行かないで、お願い……また、ここに来て――来て、下さい……」
金髪のツンデレメイドが僕のシャツの裾をつまんでいた。
その姿を見ていると、そのままお持ち帰りしたくなる。
だが、それをしてはいけないのだ。監禁されるなんて、僕は御免だ。
全力で走って店を出て、路地を駆け抜け、大通りに出る。
これで、メイド喫茶に行ってから通算9回目。しかし、もうあの店にいくことはない。あっては、ならない。
- 5_315 :ヤンデレ喫茶は実在するのか? ◆Z.OmhTbrSo :2007/04/04(水) 02:12:11 ID:7cbl3E8J
- 自宅の前までようやく辿り着いた。
メイド喫茶から立ち去ったものの、さっきの金髪メイドが追ってきているかもしれない、
と思うとゆっくり歩いて帰ることができず、自宅前まで走ってきたのだ。
これなら、後をつけられたとしても、さすがにわかるまい。
僕はこれでも逃げ足だけは速いのだ。
高校では陸上部のエースとして慣らした足だ。そうそうなまるものではない。
ふと、時刻が気になった。
ジーンズの後ろポケットに入れた携帯電話を取り出そうと、手を入れる。
しかし――そこには何も入っていなかった。
走ったばかりで温まっていたはずの体に、冷たいものが走る。
どこで落とした?走っているときか?――もしそうだったら、僕でもさすがに気づくはずだ。
次に考えられるのは、どこかに忘れてきた、ということだ。
たしか最後に携帯電話を見たのは、メイド喫茶だった。
そうだ。そして、後ろのポケットに入れた。それは覚えている。
その後、勘定を済ませて、それから――――あの、メイドさんにくっつかれた。
ということは、彼女が僕に近づいたときに掠め取ったのか?
もし、そうであればまたメイド喫茶に行かなければならない。
そして――――そのとき僕は、あの店に10回目の靴の跡を残すことになる。
結果、僕は監禁される。
相手は、おそらくあの金髪のツンデレメイドだろう。
彼女以外に話をしたメイドさんはあの店にはいない。
携帯電話を放置しておいたら、他人に悪用される可能性もある。
それは良くない。
この情報化社会で情報を漏らすことは、人間関係にも悪影響を及ぼす。
そこまで考えて、僕は決断した。
――もう一度だけ、あのメイド喫茶へ行こう。
もちろん行くだけだ。
男性のウェイターさんに声をかけ、ツンデレメイドから携帯電話を返してもらう。
拒否されたら、その場合は警察に連絡をすればいいのだ。
あのツンデレメイドには近づかない。
それさえ守れば、僕が監禁されることはない。
僕は、もう一度メイド喫茶へ向かうために、さっき走ってきた道を引き返すことにした。
- 5_316 :ヤンデレ喫茶は実在するのか? ◆Z.OmhTbrSo :2007/04/04(水) 02:14:00 ID:7cbl3E8J
- メイド喫茶についたとき、玄関には『CLOSED』の札が張り付いていた。
おかしい。まだ太陽は沈んではいない。
どう考えても、普通の喫茶店が閉店するような時間ではない。(メイド喫茶が普通かどうかは置いておくとして)
――店が閉店していては、どうしようもないな。
そう思い、立ち去ろうとしたら。
『キィィーーー』
という音を立てて、ドアがゆっくりと開いた。
そして、ドアが開ききったとき、僕はおかしなものを見た。
「う、うっうっうぅぅ……」
金髪のツインテールをしたメイドさんが、立ったまま、顔に手を当てて泣いていたのだ。
彼女の足元には、トレイと、それの上に乗せられたコーヒーカップがあった。
カップにはキャラメルのような色をした液体――カフェオレが注がれていた。
おそらくは、僕が注文したカフェオレだろう。
だが、何故それを今までカップに入れたままにしているんだ――?
「私のいれたカフェオレ……どうして、飲んでくれないの…?
なんで? 私………が、私が悪いの? ……あなたに、なにかしちゃった?
いつも、来た時には飲んでくれたの、にぃ……どし、て……?
私が、いれた、い、れ…ぁ…う、ふぅぅぅ、うう、う、う………」
彼女は、両手を顔から離して、僕に向かって消え入りそうな声で語りかけてきた。
僕はその姿に――ヤンデレヒロインの影を見た。
健気で、惚れた男のために懸命に尽くす、心を病んだ女性たち。
そして、主人に奉仕するメイドという職業。
僕には、その二つがどこか似通った部分があるように思えてきた。
気づいたら、僕は歩き出していた。
大きな目から涙を流す金髪のメイドさんの元へ向けて。
何も考えられなかった。
――彼女のその涙を拭いたい。
それだけしか、考えられなかった。
そして、僕が店内の床に右足をつき、次に左足をついたとき。
ばぁん! と真後ろから大きな音が聞こえてきた。
振り返ると、ドアが閉まっていた。
ノブをひねる。押しても、引いても、開かない。
鍵がかかっていた。
- 5_317 :ヤンデレ喫茶は実在するのか? ◆Z.OmhTbrSo :2007/04/04(水) 02:15:09 ID:7cbl3E8J
- 「あぁははは……あぁはははははは……やったぁ……ヤァッタァァァァ!
これで、これでこれでこれで! あなたはわたしの、わたしはあなたのものよ!」
笑い声に振り向くと、金髪メイドが大きい目をさらに大きく、目玉が飛び出すのではないか、
と思うほどの大きさにして、僕を見つめていた。
僕は、呼吸が重くなるのを感じた。
「うれしい。とぉっても、すっごく……うれしい。
ううん。言葉になんてできないし……、言葉にするなんてもったいない。
この想いは、私の! 私の! 私だけのものよぉ! そして! あなたもぉ!
ねえ、うれしいでしょ? ねえ。ねえねぇねえねぇねぇーーーーーーーー!」
金髪メイドが僕の肩を掴んだ。
そのまま、前後に揺らす。
だんだんと、その動きが早くなっていくのがわかる。
そして、僕が気持ち悪くなり、酔いそうになったとき――足払いをかけられ、仰向けに倒された。
金髪メイドは倒れている僕の胸の上に腰を下ろし、馬乗りになった。
彼女の右手にはコーヒーカップが握られている。
「さあ……召し上がれ」
そう言うと、彼女はとても美しい金髪の上から、カフェオレをかぶった。
ばしゃり、と。
勢い良く。ためらいなく。
それは彼女の金髪を伝い、幼さの残る顔の額、こめかみ、鼻の横を通り、彼女のメイド服を濡らしていく。
その顔を拭いもせず、彼女は僕の唇に、自分の唇で――くちづけた。
唾が、まず入った。
はじめのうちだけカフェオレの味がして、その後は甘くも苦くも辛くもなく、舌に泡の感触だけを与えてきた。
僕がそれを飲み込まないように必死に喉を引き絞ると、彼女は両手で僕の脇に指を当てて、くすぐった。
すると、引き絞っていた喉の力がほんの少しだけ緩められて、彼女の口液が喉の繊細な部分にかかった。
たまらず、僕はむせた。
一回、二回と咳き込む。僕と彼女の唇の結び目から唾液があふれ出した。
それでも、金髪のメイドは唇を離さない。
今度は、舌を入れられた。
小さい舌だった。僕がいつも口内に擦り付けている、自分の舌ではなくて、もっと細くて、
もっと薄い、それでも温かい熱を持った舌だった。
口内で蠢くそれは、上顎、下顎の順に歯茎をゆっくりと這いずり回る。
舌の裏に、ざらざらとした感触が生まれた。
時に細かく、時に素早く動く彼女の舌が僕の顎の筋肉を弱らせていく。
「ん……ふふふぅん♪」
金髪メイドは僕から顔を離すと、唇を結んだまま、鼻でわらった。
- 5_318 :ヤンデレ喫茶は実在するのか? ◆Z.OmhTbrSo :2007/04/04(水) 02:16:30 ID:7cbl3E8J
- 右手をつかまれた。
そして、馬乗りになっている彼女の左足の下を通り過ぎると、彼女のスカートの中に持っていかれた。
僕の手の甲と、彼女の掌が重なる。
そして指の一本ずつに、それぞれの指を添えられた。
人差し指と、中指が動いて、彼女が身に着けているパンツの上から、秘所を弄らされる。
僕の指が曲がると、彼女が両足で僕の両脇を締め付け、指が秘所から離れると軽く腰が浮く。
まるで、僕の指と性行為をしているかのようだった。
金髪のメイドは腰を動かしながら、空いている右手でブラウスのボタンを外そうとし始めた。
しかし、腰を動かしていて、さらに焦点の合っていない目では上手く外せないのか、もたついていた。
「……こうしちゃお♪」
僕の左手を掴むと、またしても指を添えて、ブラウスのボタンとボタンの間に、僕の指を差し込んだ。
そして、彼女は一気に腕を下ろした。
ぶちぶち、という音がして、ボタンがちぎれてブラウスとエプロンがはだけ、
勢いよくおろした指の勢いに負けて、ブラジャーまでがずれた。
彼女の決しておおきくない乳房には、ピンク色の乳首があった。
白い肌の上にあるそれは、雪の上に落ちた桜の花びらのようだった。
金髪の雌は僕の指を操作し、右の乳首をつまませた。
その途端、彼女の口から小さな声が漏れて、僕の指にはぷにぷにとした肉の感触があらわれた。
僕の指を使って乳首を押し込み、つまみ、そのまま上に下に、左右に弄る。
物足りなくなると、今度は左の乳首をつかって同じことを繰り返す。
僕の胸の上で暴れる腰はでたらめな動きになっていった。
前に動くと思ったら、腰で円を描き、左にいくかと思ったら上へと動く。
「あっん! も……ふぅ、あっ! …………あはっ♪」
金髪のメイドは胸の上から腰を浮かせて、後ろに下がっていく。
そして、すっかり硬くなっている僕の股間を軽く撫でた。
「…・・・これ、いただくわ……」
そう言うと、彼女は僕の身に着けているベルトを外し、ジーンズを膝まで下ろした。
その次は、僕の下着までも、ずらした。
それまで衣服の上に圧迫されていた陰茎が開放される。
すぐに金髪メイドの小さな手がそれを覆い隠す。そして上下に動かしだした。
すかさず、自分の口からうめき声が漏れた。
冷たい手の感触と、乱暴に動き出していく、速度さえもいびつな上下運動。
陰茎が、どんどん伸びていくような気がした。
腰の奥に溜まっていたものが引っ張り出されて、限りなく伸びていく。
- 5_319 :ヤンデレ喫茶は実在するのか? ◆Z.OmhTbrSo :2007/04/04(水) 02:18:56 ID:7cbl3E8J
- ――が、突然その動きが止まった。
思わず、「なんで」の「な」までを口に出してしまった。突然、竜巻のような快楽から開放されたからだ。
「だ、め、よ。……全部、なかにいれてぇ。中にぜぇんぶ……、だしてもらうから」
そう言いながら、彼女は右足だけを上げて、ショーツを脱いだ。
笑いながら腰を動かし、淫裂を陰茎にそって這わせる。
それを幾度か繰り返すと、垂直に立つペニスを秘所で後ろに押し倒しながら、
亀頭を彼女の入り口にぴたりと当てる。
腰をゆっくりと回しながら、彼女の下の口が陰茎を少しずつ咥えていくのが感じられた。
途中で、軽く引っかかりを感じたが、金髪のメイドはさらに笑顔を愉悦に歪め、そして――腰を落とした。
うめき声や、叫び声は出さなかった。
むしろ、笑い声の大きさがさらに増えた。
僕と彼女は、そのとき完全に繋がっていた。
僕にも彼女にも、その場所自体がスカートに隠されていて見えてはいなかったが。
金髪のメイドは髪を振り乱し、肩を上下させ、腰を乱暴に振りはじめた。
乱れていく。僕の意識が。
乱れている。メイドの体も、呼吸も、笑い声も。
締め付けられると陰茎が爆発しそうに思えるほど膨らむのに、
今度は緩められて快楽を遠くへと追いやっていく。
「あっは、は、はあぁ、あっすき、すきぃ…好きよぉ……おっ!」
彼女の動きは、止まらない。
がくがくと顎が上下に揺れて、頭も前後に振られている。
背中と、肩は入れ代わるように前へ行ったり、後ろへ行ったりあわただしく動く。
腰はどんな方向にでも動いた。
上と下、前、後ろ、斜め、横。
ときには、腰を回す動きをする。そのとき、彼女の上体は腰を中心にして円を描く。
首をがっくんがっくんと動かしながら、哄笑をあげながら。
そして、とうとう――僕に限界が訪れた。
僕は、全力で喉から声を絞り出した。
足、背中、腹、腰。全てに溜まっているものが陰茎の出口から精液とともに吐き出される。
その全ては、金髪のメイドの膣内に注がれた。
「あたしぃ、あなたの……くひ、ひく、くひひ……こども、うむ……からね……」
その言葉を聞いて、僕は完全に、自分の立場を理解した。
僕は――ヤンデレメイドに縛り付けられた。
別の言い方をすれば、金髪メイドに監禁されたのだ。――――完膚なきまでに。
終